皆さんこんにちは。
FBIの深澤辰也です。
経済学の用語で「逆選択」と「モラルハザード」というのがございます。
私は大学時代経済学部に所属しておりましたが、
こんな言葉全然知りませんでした。
知らないというよりは覚えていないというのかもしれません。
(いかに大学時代に勉強してなかったか最近身に染みてます)
最近この言葉を知って、面白いなと思ったので紹介いたします。
「逆選択」と「モラルハザード」というのは簡単に言うと、
契約行為の「前」と「後」に生ずるリスク、問題の事を言います。
「逆選択」とは契約「前」の売り手と買い手の情報格差によって生じる問題です。
買い手は商品を購入するまでその商品の品質を知ることはできないので、
売り手がその無知につけ込んで、悪質な商品を良質な商品と称して
販売する可能性があるために、
買い手が良質な商品として出回っている物を購入したがらなくなって、
結果的に市場に出回る商品は悪質な商品ばかりになってしまうという問題です。
「モラルハザード」とは契約「後」の情報格差によって生じる問題です。
売買成立後の一方が背信的行為(裏切り行為とでも言いましょうか)が発生してしまう。
もしくは相手をだますことを前提に契約をしてその後裏切り行為を実行する。
もう一方の相手にしてみればそのようなことが起きるとは解らずに売買取引を行うというような問題です。
なぜ、今回この「逆選択」と「モラルハザード」の言葉を出したかと言うと、
この二つの問題について保険を例えにすることが良くあるからです。
「逆選択」を保険に例えますと、今まで事故を頻繁に起こしている人が、
保険に入った方が自分の出費が抑えられる、もしくは今まで入っていた保険会社から引き受けを断られ、
他の保険会社に黙って新規で加入をする。
保険会社はそんな人たちがたくさん契約されてしまうと保険料が高くなり、
安全運転している人は保険料が高いという理由で加入しなくなり、
結果保険に入る人は事故を頻繁に起こす人しかいなくなるという流れになります。
「モラルハザード」を保険に例えますと、
保険に入ったら何が起きても保険会社が支払ってもらえるからと言う気持ちで、
運転が荒くなる。
医療保険を例にすると保険に入ったから安心してつい暴飲暴食をしてしまうという流れになります。
保険会社もこの逆選択とモラルハザードは十分把握しているので、
善意の方にはより安く有利に入れるようにして、
悪意の方は排除もしくは高い保険料にして注意喚起するように
様々な努力をしています。
自動車保険の各社の値上げや自賠責保険(強制保険)の値上げについても、
多少モラルハザードによる影響があるのではないかなと感じます。
(あくまでも個人的な感覚値ですが)
必要以上に通院などを行い賠償請求を多く貰おうとしている人が増えている気がします。
もちろんモラルハザード以外の要因もありますので、
一概に値上げの根源が全てモラルハザードに当てはまる事は絶対にないと思いますが、
多くの方が事故などで保険を必要以上に使用してしまうと、
あとで保険料の値上げと言うしっぺ返しが待っているかもしれません。
ちなみにこの「逆選択」と「モラルハザード」、
保険会社にも言えるのかもしれません。
もちろん私達のような代理店にも言えます。
例えば保険会社がお客様から貰った保険料を原資に放漫経営をしてしまい、
お客様に支払うべき保険金を支払えずお客様に不利益を生じさせてしまったり、
代理店にしてみれば自分たちが売りたい商品をデメリットを伝えずに、
良い部分ばかりを伝えてお客様をその気にして契約して、
お客様がもらえると思っていた保険金がその部分を伝えてなかったが故に支払えず、
結果的にお客様が不利益を被ってしまうという事になりかねません。
「逆選択」も「モラルハザード」もどちらも情報格差によって生じる問題です。
売り手も買い手も情報格差を埋めるべく情報を広く公開することで、
結果的に自分の身も守るということになると思うので、
代理店としての情報格差を埋める努力をしていきたいと思います。
逆選択とモラルハザード
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